御社と貴社、弊社と当社どう違うの?

商談をする時や履歴書や書類を記入する時などに、相手の会社の事を、『御社』や『貴社』と言ったり、記入したりしますよね?
その正しい使い分け方について紹介します。
尊称・敬称・謙称・卑称とは?
尊称は、尊敬の気持ちをもって呼ぶ表現。
[対義語]卑称
[類語]敬称
例)御社、貴社、御校、貴校など。
敬称は、人名や役職名などの後ろにつけたり単独に用いて、敬意を表す語。または、相手または相手方の事物について、敬意を表す言い方。
[対義語]謙称
[類語] 尊称
例)◯◯様、◯◯殿、◯◯先生、◯◯御中、貴兄、玉稿など
謙称は、相手に対して、自分の事や自分の会社などを謙った言い方。
[対義語]敬称
例)弊社、弊店、小生、愚息など。
卑称は、他人及びその動作や状態を卑しめて呼ぶ表現。
[対義語]尊称
例)てめえ、きさまなど。
取引先等との会話では、相手側に対しては尊称を使い、自分側に対しては謙称を使って話します。
尊称+敬称という、併用はNGです。
例)貴社様、御社様など。
御社・貴社・弊社・当社の使い分け
- 御社(おんしゃ)は、口頭で相手の会社の事を言う時に使う。尊称。
- 貴社(きしゃ)は、書面で相手の会社の事を言う時に使う。尊称。
- 弊社(へいしゃ)は、取引先や顧客などを相手に、自社を謙って言う謙譲語。謙称。
- 当社(とうしゃ)は、対等及び目下の関係性の中で、自社の事を言う丁寧語。主に社内で使用し、取引先等には使わない。
『御社』も『貴社』も、意味は同じで相手の会社の事を言っています。
口頭と書面で使い分けをするのが正解です。
『弊社』も『当社』も、意味は同じで、自分の会社の事を言っています。 こちらについては、口頭と書面で使い分けはしませんが、相手によって使い分けが必要です
履歴書には、『御社』ではなく、『貴社』と記入しましょう。
面接の際は、『御社』と言いましょう。
就職・転職、商談など、あらゆるビジネスシーンで使われるので、しっかりインプットしておきましょう。
一般企業の場合、『御社、貴社』ですが、他の業種の場合は、それぞれ違います。
業種別 尊称 謙称一覧
- 相手
- 自分
- 施設等
- 尊称
(口頭) - 尊称
(書面) - 謙称
(謙譲語) - 丁寧語
(対等・目下) - 会社
- 御社
- 貴社
- 弊社
- 当社
- 店
- 御店
- 貴店
- 弊店
- 当店
- 法人
- 御法人
- 貴法人
- 弊法人
- 当法人
- 団体
- 御団体
- 貴団体
- 弊団体
- 当団体
- 協会
- 御会・御協会
- 貴会・貴協会
- 弊会・弊協会
- 当会・当教会
- 病院
- 御院
- 貴院
- 弊院
- 当院
- 医院
- 御医院
- 貴医院
- 弊医院
- 当医院
- クリニック
- 御クリニック
- 貴クリニック
- 弊クリニック
- 当クリニック
- 協同組合
- 御組合
- 貴組合
- 弊組合
- 当組合
- 銀行
- 御行
- 貴行
- 弊行
- 当行
- 信用金庫
- 御庫・御金庫
- 貴庫・貴金庫
- 弊庫・弊金庫
- 当庫・当金庫
- 学校
- 御校
- 貴校
- 弊校
- 当校
- 大学
- 御学
- 貴学
- 弊学
- 当学
- 学園
- 御学園
- 貴学園
- 弊学園
- 当学園
- 学院
- 御学院
- 貴学院
- 弊学院
- 当学院
- 都(都道府県)
- 御都
- 貴都
- 弊都
- 当都
- 道(都道府県)
- 御道
- 貴道
- 弊道
- 当道
- 府(都道府県)
- 御府
- 貴府
- 弊府
- 当府
- 県(都道府県)
- 御県
- 貴県
- 弊県
- 当県
- 省
- 御省
- 貴省
- 弊省
- 当省
- 庁
- 御庁
- 貴庁
- 弊庁
- 当庁
- 商工会議所
- 御会議所・御所
- 貴会議所・貴所
- 弊会議所・弊所
- 当会議所・当所
本社・本店・本校・本学
「本校では」「本学では」というように、学校では、『本』がよく使用されています。
『弊校・弊学』という言い方は、あまり聞かないように思います。
学校の場合は、謙る必要がないという考えもあるようです。
「対 お客様」ではない施設や団体は、『弊』を使った表現は適切ではないのかもしれません。
日本語の難しいところです。
会社、店などの場合は、『本』を使うと違う意味にもなります。
支社ある会社の本社。支店がある店の本店。
『本社、本店』というと、ほとんどの人はそちらの意味と捉えるはずです。
そういった意味でも使われていないようです。
やはり、日本語は難しい。
小学校・中学校・高校・大学の場合は?
小学校、中学校、高校(高等学校)は、『校』で終わるので、『御校・貴校』です。
大学は、『学』で終わるので、『御学・貴学』です。
口頭の場合は、『御学』と『音楽』など、どちらの事を指すのか紛らわしくなるので、注意が必要です。
自分の通う学校の場合は?
学校の職員などは、自分の所属する学校の事を『弊校・本校・当校』『弊学・本学・当学』と言います。
ただし、学生や生徒は違います。
就職時の面接などの際に、
「弊校は、スポーツ部の活動が活発な高校です」
という言い方は間違いです。
在学中なら「◯◯高校は…」「私の学校(我が校)は…」
卒業後なら「母校は…」
という言い方がベストかと思います。
適切な使い分けが出来ると、印象が良いですよね。ぜひご活用ください。
投稿日: 2015/02/14 最終更新日: 2023/05/04
投稿日: 2015/02/14
最終更新日: 2023/05/04